【libGDX入門】初めての環境構築【Intellij IDEAとAndroid Studio編】
ゼロから初めてlibGDXアプリを動かすまでをステップバイステップで解説します。開発時のOSに関しては Mac OS, Windows, Linuxどれでも構いません。今回解説するのは、IDEにIntelliJもしくはAndroid Studioを使用した場合です。 もちろん、EclipseやNetBeans、お好みのテキストエディタでも開発は可能です。
2. ダウンロードとインストール
Java SE Development Kit 7(JDK7) のダウンロードとインストール
以下のリンクから、自分のOSにあった最新のJDK7をダウンロード後、画面の指示に従い、インストールします。
Android SDKのダウンロードとインストール
以下のリンクの下の方にあるSDK Tools Onlyの所から、自分のOSにあったAndroid SDKをダウンロードします。Android Studioでの開発を考えている場合、ここでAll Android Studio Packagesをダウンロードします。以降IntelliJをAndroid Studioに置き換えて読み進めてください。
Android SDKを展開するディレクトリについては、あとで指定する必要があるので、メモしておきます。Windowsではインストーラを使用したほうが、良さそうです。
ダウンロード後にSDK Mangerを起動して、最小限Android SDK Build-toolsとAndroid APIの20以上を最低1つインストールします。あまり多くインストールすると、容量が結構大きいので、注意します。
Android実機へのインストールをするために、SDKのディレクトリの中のtools、platform-toolsフォルダにパスを通しておきます。
libGDXのセットアップ用アプリケーション
以下のリンクから、最新のSetup App(gdx-setup.jar)をダウンロードします。
これからプロジェクトを作る時はこのアプリを実行することになるので、わかる場所に置いておきます。
3. セットアップツールでのプロジェクトの作成
先ほどダウンロードしたgdx-setup.jarをダブルクリックすると、以下のlibGDXセットアップツールが立ち上がります。
それぞれの項を以下の通り、入力します。
- Name : アプリケーションの名前
- Package : プロジェクトのパッケージ名
- Game class : メインの処理を行うクラスの名前
- Destination: プロジェクトを配置するディレクトリ
- Android SDK: Android SDKへのパス
Extensionsについては、割と利用する、Freetypeについてチェックを入れておきます。これはBitmapFontを利用する時に利用するエクステンションです。ただし、Freetypeにチェックを入れた場合、HTML出力はできないので、Sub ProjectsのHtmlはチェックを外しておきます。HTML出力を考えている場合、Freetypeは使えません。
Box2dはデフォルトでチャックが入っていますが、これは物理演算のためのライブラリです。
入力が終わったら、Generateをクリックして、しばらく待つと、Gradleがいろいろダウンロードしてくれて、見事プロジェクトが生成されます。ここでエラーが起きる場合、JDKか、Android SDKのインストールがうまくいっていないことが考えられます。
プロジェクトの階層構造は以下のようになっています。
project/ android/ AndroidManifest.xml assets/ src/ core/ src/ desktop/ src/ ios/ src/ build.gradle gradlew gradlew.bat local.properties
この内、core/src/の部分に共有のコードを書いていきます。
また、画像や音楽などは基本的にandroid/assetsフォルダにおきます。
4. IntelliJ IDEAでのプロジェクトのインポート
先ほど生成したプロジェクトをIntelliJ IDEAでインポートします。
IntelliJ IDEAを初回起動すると、以下の画面が開きます。
Import Projectを選択して、先ほど生成したプロジェクトのフォルダにある、build.gradleを開きます。
その後、Use default gradle wrapperにチェックが入っていることを確認して、OKをクリックします。すると、プロジェクトが読み込まれるはずです。ここでエラーが起きる場合、JDKのインストールがうまくいっていない(環境パスJAVA_HOMEが設定されていない等)ことが考えられます。
5. Desktopアプリケーションの実行
まずは、Desktopアプリケーションを実行してみましょう。
- IntelliJのメニューからRun -> Edit Configurationsを選択します。
- 左上の (+) ボタンをクリックし、Applicationを選択します。
- NameにDesktopと設定します。
- Use classpath of moduleにdesktopを選択します。
- Main classからDesktopLauncherを選択します。
- Working directoryにandroid/assets/を選択します。
- 最後にApplyとOKをクリックします。
これで、Desktopアプケーションを実行する準備が整いました。
右上の再生ボタンの左から、Desktopを選択し、再生ボタンをクリックします。
下記の画面が表示されれば、成功です。お疲れ様でした!
5. Android実機へのインストールと実行
Android実機へのアプリケーションの実行には、実機のAndroidのOSのバージョンにあったAndroid APIのインストールが必要です。Android SDK Managerで事前にインストールしておきます。
実機をPCへUSB接続したら、Androidを選択し、再生ボタンをクリックします。いくつか確認画面が出た後に、うまくいけば、アプリケーションが実機にインストールされ、実行されます。
ここでエラーが出る場合、Android SDKをうまく認識できていないか、platform-toolsのadbの設定がうまくいっていない等が考えられます。
実行できた場合、初めは横に表示されると思います。わかりにくいのでAndroidManifest.xmlを書き換えて、縦をデフォルトにしましょう。
project/ android/ AndroidManifest.xml
AndroidManifest.xml内のandroid:screenOrientation="landscape"の部分を"portrait"に変更します。これで縦がデフォルトになります。
実機ではなくエミュレータで実行したい場合、Choose Deviceの画面でAndroid Virtual Device Mangerを起動しお好みのバーチャルデバイスを作ります。そして、作成したバーチャルデバイスを選択すれば、仮想Android環境でアプリケーションが実行できます。ただしエミュレータの起動に割と時間がかかります。なので一度起動したらそのままにするのがいいと思います。
6. iOS Simulatorの実行
この項はMacOS以外はできません。そしてXCodeが既にインストールされていることを前提とします。
IntelliJ IDEAから、直接iOS Simulatorや実機での実行も可能ですが、少々面倒なので私はターミナルから、実行しています。IntelliJからやりたい場合、以下を参考にやってみてください。
さて、ターミナルからはプロジェクトディレクトリにおいて以下のコマンドで実行できます。
$ ./gradlew ios:launchIPhoneSimulator
初めの実行は数十分ぐらいかかりますが、気長に待ちましょう。次回からはそこそこ早くなります。
実機にインストールしてデバッグしたい時は以下の記事を参照してください。
補足
ターミナルからの実行については、IDEとかは必要ないので、気軽に試したいとき非常に便利です。JDKとAndroid SDKさえあれば、実行できます。Windowsの場合、gradlewをgradlew.batに置き換えてみてください。
- デスクトップの実行
$ ./gradlew desktop:run
- デスクトップのパッケージング(desktop/build/libs/desktop-1.0.jarが生成される)
$ ./gradlew desktop:dist
- Android実機へのインストールと実行
$ ./gradlew android:installDebug android:run
これらのコマンドはwikiにまとめられています。
シリーズ